ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学【☆☆☆】
最新の経営学ではどのような議論が行われているか
本の題名の通り経営学の教科書には載っていない最新の研究を紹介
イノベーションを起こすためにはどうすれば良いかなど興味深い話がいっぱい
驚いたことに経営学の教科書は、四半世紀近く内容がアップデートされていない。
つまり、、、
「日本のビジネスパーソンがMBA本やビジネス誌を読んだり、あるいはビジネススクール教育などを通じて知ったりすることのできる『経営学』と、世界の最先端で経営学者が生み出している知見の間には、きわめて大きいギャップがある」
とのこと。
そこで、この本では世界の最先端で議論されている経営学の潮流を紹介するというもの。
「イノベーション」「グローバル化」「ダイバーシティー」「競争戦略」「リーダーシップ」など、まさに実務で最も知りたい題目について、今の考えを教えてくれる。
具体的には、メタ・アナリシスという手法を使って紹介している。
それは、「過去の統計分析の結果を、さらに統計的に総括する手法」というもの。
要は同じ様な研究を行なった論文を集計して統計的に紹介するものとなる。
特にイノベーションに関する話はとても刺激的。
イノベーションには、
「知の深化」を継続しながらも、「知の探索」を推し進める組織体制・ルールづくりが求められます。
とのこと。
ここで「知の深化」とは、企業における一般的な研究開発に近い。
一方、「知の探索」とは、他の分野の知恵を活用するというもの。
例えば、トヨタの「カンバン方式」は、米国のスーパーマーケットの仕組みを発想の起点にしているとのことでした。
また、
「ブレストでアイデアを出すのは、実は効率が悪い」
という挑戦的な研究結果も紹介している。
真相は、ブレストのやり方次第の様だが、一般の企業が猿真似してもダメだということなんだろう。
イノベーションに関する考えは、いくつかネットでも紹介されているのでご参考。
以下の記事を読んで興味を持たれたら、本を読んでみることをオススメします。
最後には、米国のビジネススクール事情についても色々と書いてある。
これから、留学を考えている人は、雰囲気がわかるのではないだろうか。
ちなみに・・・
「米国の主要なビジネススクールにいる教授は、ピーター・ドラッカーの本をほとんど読まない。ドラッカーの考えに基づいた研究もまったく行われていない」
とのことなので悪しからず。
【まとめ】
とにかく経営学の今がわかって勉強になります。
しかも、どの章も最近話題の話ばかりで読んでは色々と考えてしまいます。
そして、海外のビジネススクールから完全に日本は置いてきぼりになっているとも感じました。
中国の台頭とともに日本の凋落も急速に進んでいるのかも。
頑張れ日本。